脳の病気・症状

Brain disease

片頭痛

片頭痛の概要

片頭痛は、日常生活に支障をきたす一次性頭痛の一つで頻度が高い頭痛です。
15歳以上の日本人を対象とした全国調査では、片頭痛の年間有病率は8.4%と、多くの方が悩んでおられることが分かっています。年代別では、30代女性では約20%、40代女性では約18%と高い結果となっています。
それにも関わらず、「たかが頭痛」と言われ、頭痛が辛くても理解してもらえないことが少なくありません。また、片頭痛で悩んでいる方も、日常生活に支障があるにも関わらず、医療機関を受診される方は多くありません。
市販の鎮痛薬を内服しているにも関わらず、頭痛のせいで日常生活に支障をきたしているような方は受診をご検討ください。

 

片頭痛の特徴

  • ズキズキと脈打つ痛み
  • 吐き気を伴う
  • *頭痛発作前に何らかの前ぶれがある
  • 寝込んでしまうほどつらい
  • 頭痛の発作中は、光、音、匂いが気になる
  • 歩行や階段の昇り降りなど、動くと痛みが強くなる
  • ストレスから解放された時に出現する
  • 天候、気圧の変化に左右される
  • 家族に同様の頭痛を持つ方が存在することが多い

*発作前に前兆と呼ばれる前ぶれを感じる方がいます。「前兆のある片頭痛」は20%弱です。前兆の具体的な症状としては閃輝暗点 (せんきあんてん)と呼ばれる視覚症状があります。閃輝暗点は、目の前に光がチカチカしたり、歯車のようなギザキザの光が見えたり、視野の一部が欠けたりする症状です。その他の前兆として、言葉が出にくくなる、脱力、半身のしびれなどの症状もあります。

 

片頭痛の誘発因子・増悪因子

  • ストレス、ストレスからの解放
  • 睡眠不足、睡眠のとり過ぎ
  • 月経
  • 天気の変化、温度差
  • 匂い、音、光
  • 運動
  • 空腹、脱水
  • アルコールの飲用
 

片頭痛の予防

片頭痛の予防に、頭痛ダイアリーをつけることをお勧めします。
頭痛ダイアリーでは、

  1. 頭痛日数
  2. 性状
  3. 痛みの強さ
  4. 持続時間
  5. 頭痛以外の症状
  6. 誘発因子
  7. 薬の使用状況
  8. 日常生活への影響

などを記載しておきます。
頭痛治療の第一歩は、ご自身の頭痛について知ることです。頭痛ダイアリーをつけることで、ご自身の頭痛が起こるきっかけやタイミングについて見返すことができる利点があります。
頭痛が起こる誘因などが分かれば、頭痛への対応がしやすくなります。また。医師と共有することで、薬物療法を含めた頭痛対策の相談に役立ちます。

 

片頭痛の薬物治療

頭痛が起こった際に、痛みを和らげるための急性期治療と、頭痛の頻度や強度を減らすための予防治療があります。頭痛の頻度が少なければ、鎮痛薬やトリプタン製剤と呼ばれる薬を、頭痛が起こるタイミングで内服します。
これらの薬は、飲み過ぎると「薬物の使用過多による頭痛」を引き起こしてしまうため、頭痛の頻度が多い方では、予防治療が必要となります。

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