脳の病気・症状

Brain disease

緊張型頭痛

緊張型頭痛の概要

緊張型頭痛は一次性頭痛の中で、最も頻度が高い頭痛です。身体的・精神的ストレスが誘因となります。
通常30分~7日程度、痛みは持続します。吐き気、嘔吐、光過敏、音過敏などの片頭痛に特徴的な随伴症状はありません。
階段昇降や歩行によって痛みが悪化する片頭痛と比べ、緊張型頭痛では体を動かすことによって痛みが強くなることはありません。

 

緊張型頭痛の特徴

  • 「何となく頭全体が重苦しく痛い」
  • 「両側のこめかみから後頭部の締め付けられる痛み」
  • 「痛みの強さは我慢できない程ではない」
  • 「吐き気はない」

緊張型頭痛の誘発因子・増悪因子

  • パソコン作業など長時間の前屈みの姿勢、姿勢の悪さ
  • 肩こり
  • 精神的緊張・ストレス
  • 睡眠不足、過剰な睡眠
  • 運動不足
  • 喫煙
  • 天候の変化
 

緊張型頭痛の対処方法

該当する誘発因子や増悪因子があれば、可能であれば避けるようにしましょう。
症状が軽い場合は、下記の対処方法が有効である場合があります。

 

症状が軽いときの対処法

  • ストレッチ
  • 体操、マッサージ
  • 首や肩を蒸しタオルやホットパックで温める
  • 入浴
 

緊張型頭痛の急性期医療

急性期治療は痛みを和らげることを目的とした治療です。 頭痛の頻度が、月に1回未満であれば市販の頭痛薬で様子をみて問題ありません。
頭痛の日数が多く、痛みの持続時間が長ければ下記の薬物治療を検討します。 症状の強さ・持続時間や効果と副作用のバランスを考えながら、治療薬を選択します。

 

治療薬

  • アセトアミノフェン
    (商品名:カロナール)
  • アスピリン・ダイアルミネート配合
    (商品名:バファリン)
  • メフェナム酸
    (商品名:ポンタール)
  • ロキソプロフェン
    (商品名:ロキソニン)
  • インドメタシン/ファルネシル
    (商品名:インフリー)
  • ジクロフェナク
    (商品名:ボルタレン)
  • イブプロフェン
    (商品名:ブルフェン)
  • ナプロキセン
    (商品名:ナイキサン)
 

緊張型頭痛の予防治療

頭痛の頻度が月に10日以上ある緊張型頭痛では、急性期治療薬のみでは効果が不十分であることが多いです。内服頻度が多くなると「薬物の使用過多による頭痛」を引き起こす恐れがあり、注意が必要です。
そのため、頭痛を起こさないようにする目的で予防治療が必要になります。予防治療を行うことで、頭痛の頻度を減らし、痛みの強さを減らす効果があります。
代表的な予防薬に、アミトリプチン (商品名:トリプタノール)があります。口が渇く、眠気や脱力などの症状が出られる方がいるため、通常少量より開始し、効果が出る量までゆっくりと増やします。