脳の病気・症状

Brain disease

【脳ドックの費用】保険適用・助成金・ふるさと納税について

検査室に設置されている医療用MRI装置

脳ドックは病気の早期発見や予防を目的とした検査であり、原則、自由診療として扱われます。「費用はどれくらいかかるのか」「負担を少しでも抑えたい」という方のため、本記事では脳ドックの費用全般を詳しく解説します。

基本メニューとオプション検査、助成金制度などもまとめているので、脳ドックを検討している方はぜひ参考にしてください。

脳ドックとは

医療用の大型MRI装置が設置された検査室

脳ドックとは、MRIやMRAなどの画像検査で脳や脳血管の状態を詳しく調べる検診コースの総称です。自覚症状がない段階で異常を見つけることを目的としており、病気の早期発見や早期治療につなげる役割があります。

特に脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)は、発症すると重い後遺症が残る可能性があるため、発症前の段階でリスクを把握することが重要です。脳ドックでは、こうした疾患の原因となる異常を事前に見つけられる可能性があります。

脳ドックの検査内容

脳ドックでは、主にMRI検査とMRA検査が行われます。

MRI検査
  • 磁気を利用して脳の断面を撮影する検査
  • 脳の構造や小さな病変、出血の跡などを詳細に確認できる
MRA検査
  • 脳の血管の形や狭窄、動脈瘤の有無などを評価する検査
  • 造影剤を使わずに血管の状態を確認できるため、身体への負担が比較的少ない

上記の検査に加えて、オプションで頸動脈エコーや血液検査、血圧測定、心電図検査などを組み合わせることができる場合があります。近年は、認知機能検査を行う医療機関も増えてきました。

脳ドックでわかること

脳ドックで発見できる脳の病気には以下のものがあります。

無症候性脳梗塞
  • 自覚症状がない小さな脳梗塞
  • 将来的に脳梗塞を発症するリスクが高まる可能性がある
脳動脈瘤
  • 脳の血管の一部が膨らんだ状態
  • 破裂するとくも膜下出血の原因となる
脳腫瘍
  • 脳内にできる腫瘍
  • 良性と悪性があり、場所や大きさによって症状が異なる
脳出血の痕跡
  • 過去に起こった小さな出血の跡が見つかることがある
  • 将来的な脳出血のリスク評価につながる
脳の萎縮
  • 加齢や疾患によって脳の体積が減少した状態
  • 認知機能低下との関連が指摘される
白質病変(慢性虚血性変化)
  • 脳の血流低下による変化で、動脈硬化や加齢と関連する
  • 将来的な脳梗塞や認知機能低下のリスク因子となる
頸動脈の動脈硬化※オプション検査
  • 首の血管の狭窄やプラークを確認
  • 脳梗塞の原因となる可能性がある

上記は、将来的な脳血管障害の可能性や認知症リスクを評価する手がかりになるものです。

症状が現れる前に受けることに意義があり、将来のリスクを把握しやすくなる点が脳ドックの大きなメリットといえるでしょう。

脳ドックの費用は保険適用外

長財布から覗く日本円の紙幣と手前に散らばる硬貨、そして白い電卓の一部

脳ドックは、症状がない段階で病気のリスクを調べる「予防目的の検査」であり、基本的には健康保険の適用外となります。自由診療は医療機関が料金を自由に設定できるため、費用は医療機関ごとに異なります。

一方で、脳ドックで異常が疑われたり、要精密検査と判断されて医療機関を受診する場合には保険適用となるケースがあります。

基本メニュー:相場は2〜5万円

脳ドックは、主にMRI検査とMRA検査を組み合わせたものを基本メニューとすることが多いです。2つの検査で脳の構造と血管の状態を総合的に評価します。

基本の検査は2万〜5万円程度が一般的な相場とされています。高性能機器(高磁場MRIなど)や専門医による詳細な読影が含まれると、5万円以上になることもあります。

また、医療機関によっては人間ドックのオプションとして脳ドックを追加できる場合もあるようです。

オプション検査:相場は2〜5万円

基本メニューに加えて、より詳しく調べたい場合はオプション検査を追加することが可能です。代表的な検査は以下の通りです。

オプション検査 特徴 費用相場
頸動脈エコー 首の血管(頸動脈)を超音波で確認する 3,000〜10,000円
血液検査 血液を採取して脂質異常症や糖尿病などの生活習慣病のリスクを評価する 3,000〜10,000円
認知機能検査 軽度認知障害(MCI)や認知症リスクを評価する 5,000〜20,000円
心電図検査 不整脈による脳梗塞リスクを評価する 1,000〜3,000円
頭部CT X線で出血の有無や骨の異常などを確認する 10,000〜20,000円
βアミロイドPET検査 脳内のアミロイド蓄積を画像化し、アルツハイマー病のリスクを評価する 20万〜30万円

オプションを追加するほど費用は高くなりますが、その分得られる情報も増えるため、年齢やリスク、目的に応じて必要な検査を選択することが重要です。

平尾病院の脳ドック料金

「はじめての脳ドック、どこで受ければいいかわからない」という方にも安心して選んでいただけるよう、平尾病院ではMRI・MRAをセットにした脳ドックコースを以下の料金でご用意しています。

コース 料金(税別) 検査内容
通常コース 22,000円
  • MRI(脳)
  • MRA(脳血管)
  • MRA(頸動脈)
ペアコース 18,000円/人
  • MRI(脳)
  • MRA(脳血管)
  • MRA(頸動脈)

※ペアコースは2名以上でのご予約が対象です。ご家族やパートナーと一緒に受診されたい方におすすめです。

当院の脳ドックは「脳の健康診断」を目的としているため、健康保険が適用されない自由診療となります。

検査終了後、専門医が読影し、直接検査結果をご説明します。

MRI検査が不安な方への配慮も充実しています。映像を見ながら検査できるシステムやアイマスクの貸し出し、お好みの音楽を聴けるヘッドホンをご用意しており、閉所が苦手な方でもリラックスして受けていただける環境を整えています。

受診前のご不安やご質問も、お気軽にお聞かせください。

当院の脳ドック検査について>

脳ドックの助成金・補助金について

白い紙の書類の記入欄に、シルバーのペンを使って文字を書き込んでいる手元のクローズアップ

脳ドックの費用は全額自己負担となるのが基本ですが、健康保険組合や自治体によっては費用の一部を補助する制度が設けられている場合があります。

補助の有無や内容は一律ではなく、加入している保険や居住地域によって大きく異なります。対象年齢や受診回数、指定医療機関の有無など細かい条件が設定されていることも多いため、事前に確認しておくことが重要です。

なお、補助制度は申請が必要なケースがほとんどです。「受診前の申請が必須」「年度内1回まで」などのルールが設けられているため、利用を希望する場合は条件や手続きの流れを確認しておくのがよいでしょう。

協会けんぽ(全国健康保険協会)の補助

全国健康保険協会(協会けんぽ)には、生活習慣病予防健診や付加健診といった制度があり、令和8年度からは35〜74歳の被保険者を対象に人間ドック健診の補助(一律25,000円)も新設されました。ただし、脳ドック単体への直接的な補助は原則設けられていない点に注意が必要です。

一方、企業が加入する健康保険組合(組合健保)では、脳ドック費用の補助制度が設けられているケースが比較的多く見られます。補助額の目安は1万円〜3万円程度で、全額補助や年齢制限付きの補助など、内容は保険者ごとに異なります。

参考:協会けんぽ「令和8年度 協会けんぽの健診がさらに手厚く、新しく!」

自治体の補助

市区町村などの自治体でも、脳ドック費用の補助制度を設けている場合があります。特に多いのが、中高年層を対象とした健康増進事業の一環として実施されているケースです。

自治体の補助を利用するには、一定の年齢以上であることや住民登録があること、市区町村税の滞納がないことなど、自治体が定める条件を満たしている必要があります。補助金額は数千円〜数万円程度と幅があり、指定医療機関での受診が条件となるケースが多いようです。

申請方法は自治体によって異なり、事前申請が必要な場合や、受診後に領収書を提出して払い戻しを受ける形式などがあります。詳細は各自治体のホームページなどで確認しましょう。

脳ドックとふるさと納税について

「寄附金受領書」と印字された白い書類のクローズアップ

脳ドックの費用負担を抑える方法の一つとして、ふるさと納税の活用も選択肢にあげられます。

ふるさと納税では、自治体への寄付に対する返礼品として、医療機関で受けられる脳ドックが提供されているケースがあります。提携医療機関での検査チケットとして利用できる仕組みが一般的です。

ふるさと納税は、寄付額のうち2,000円を超える部分が所得税および個人住民税から控除される制度です。控除上限額の範囲内であれば自己負担は2,000円で済むため、条件を満たせば実質的な負担を抑えて脳ドックを受けられる可能性があります。

ただし、寄付上限額は年収や家族構成によって異なるため、事前にシミュレーションしておくことが重要です。

脳ドックにまつわる質問

医療用MRI装置のベッドに仰向けで横たわり、頭部の検査を受けている患者

安すぎる病院は避けた方がいい?

料金と検査の質が必ずしも比例するとはいえません。ただし、極端に安い場合は検査項目が少なかったり、読影体制が簡略化されている可能性があります。

例えば、同じMRI検査でも使用している装置の性能(高磁場かどうか)によって画像の精度は変わります。また、専門医によるダブルチェックの有無が検査の質に反映されることもあります。

MRIとCTはどちらがおすすめ?

一般的な脳ドックにおいてはMRI検査が用いられることが多いです。MRIは磁気を利用して脳の断面を詳細に描出できるため、小さな脳梗塞や腫瘍、脳の萎縮といった微細な変化の確認に適しています。

一方、CT検査はX線を使用して短時間で撮影できるため、脳出血や外傷など緊急性の高い病態の評価に優れています。ただし、微細な変化の検出という点ではMRIに劣る場合があります。

MRIとCTはそれぞれ役割が異なる検査であり、目的に応じて使い分けるものと理解することが大切です。症状がない段階でのスクリーニングとしては、より詳細な評価が可能なMRIが適しているとされています。

20代は脳ドックを受けなくてもいい?

若年層で生活習慣病がなく、特にリスク要因がない場合は、必須の検査とはされていません。ただし、家族に脳動脈瘤や脳卒中の既往がある場合や、高血圧・糖尿病などの基礎疾患がある場合は、若年であっても検査を検討する価値があります。

また、強い不安がある場合や頭痛などの症状が続く場合は、脳ドックではなく保険診療として医療機関を受診するのが望ましいでしょう。

まとめ

両手のひらで包まれた人間の頭部シルエット。脳の位置に黒い混線が描かれている、悩みや精神的混乱を表すイラスト。

脳ドックは原則自由診療として扱われ、費用は全額自己負担となります。相場は数万円程度が一般的ですが、検査内容やオプションの有無によって大きく変動します。

健康保険組合や自治体の補助制度、ふるさと納税などを活用することで費用負担を抑えられる場合もあります。制度の内容や条件はそれぞれ異なるため、事前に確認しておくと安心です。

平尾病院では、高性能MRIによる脳ドックを行っております。ご家族やパートナーと一緒に受けられるペアコースもご用意しておりますので、脳ドックを検討している方はお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

平尾病院 医師 三木 浩一

大正15年創業以来、地域に根ざした脳神経外科診療を担っています。脳卒中・頭痛・認知症など幅広い脳神経疾患に対応するとともに、リハビリテーション医療や慢性期医療にも注力。お子様からご高齢の方まで、患者さん一人ひとりの背景や思いに寄り添った医療の提供を目指しています。

専門資格

  • 医学博士
  • 日本頭痛学会 専門医
  • 日本脳神経外科学会 専門医
  • 日本脳卒中学会 専門医
  • 日本認知症学会 専門医

略歴

  • 帝京大学医学部 卒業
  • 福岡赤十字病院 勤務
  • 福岡大学病院 勤務
  • 福岡大学救命救急センター 勤務
  • 釧路労災病院 勤務
  • 福岡東医療センター 勤務
  • 白十字病院 勤務
  • 平尾病院 勤務

所属学会

  • 日本頭痛学会
  • 日本脳神経外科学会
  • 日本脳卒中学会
  • 日本リハビリテーション医学会
  • 日本認知症学会

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