脳の病気・症状
Brain disease
群発頭痛は食べ物で改善する?おすすめの食べ物・控えた方がいいもの

群発頭痛は、発作が起こると数十分から数時間にわたり強い痛みが続くつらい頭痛です。少しでも症状を軽くするため、食事面で工夫できることはないかと考える患者さんは多いです。
食生活はあくまで補助的な要素ではありますが、日々の積み重ねが症状のコントロールにつながるケースもあります。
本記事では、群発頭痛と食べ物の関係を詳しく解説します。体調管理に役立つ食べ物や控えた方がよいものもまとめているので、群発頭痛でお悩みの方はぜひ参考にしてください。
群発頭痛とは

群発頭痛は、片頭痛や緊張型頭痛と並ぶ三大慢性頭痛の一つです。強い痛みを伴う頭痛で、症状の激しさから日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
最大の特徴は、目の奥をえぐられるような激しい痛みが一定の期間に集中して繰り返し起こることです。発作が起こる期間は「群発期」と呼ばれ、数週間から数ヶ月続くことがあり、その間はほぼ毎日、決まった時間帯に頭痛が起こるケースも少なくありません。
多くの場合、痛みは頭の片側(目の奥やこめかみ周辺)に強く現れます。また、頭痛と同時に以下の自律神経症状を伴うこともあります。
- 目の充血や涙
- 鼻水や鼻づまり
- まぶたの腫れや下がり(眼瞼浮腫・眼瞼下垂)
原因については完全には解明されていませんが、体内時計を司る視床下部の異常や、三叉神経・自律神経の関与が指摘されています。また、特に群発期の飲酒は発作を引き起こす原因になるとされています。
群発頭痛は食べ物で改善する?

群発頭痛は、三叉神経や自律神経の異常が影響して起こる頭痛であり、食事だけで症状を完全に改善できるものではありません。特定の食べ物を摂取することで発作が止まる、あるいは根本的に治るといったエビデンスは現時点では限定的です。
ただし、誘発因子となる飲食物を避けることで、発作が起こるリスクを下げられる可能性はあります。なかでも群発頭痛では、アルコールという明確な誘因が知られているため、群発頭痛の患者さんには禁酒が推奨されます。
食事は「体調管理の一部」として捉え、総合的な生活習慣の見直しの中で位置づけることが大切です。
群発頭痛におすすめの食べ物

群発頭痛そのものを食事で予防するエビデンスは確立されていませんが、神経や血管の働きに関わる栄養素は体調管理の一環として意識しておきたいものです。ここでは、頭痛全般との関連が研究されている栄養素を中心に紹介します。
マグネシウムを含むもの
マグネシウムは神経伝達や筋肉の収縮、血管の調整に関与する重要なミネラルです。不足すると神経が過敏になりやすいことから、頭痛との関連が指摘されています。
日常の食事では、ナッツ類(アーモンド・くるみ)、海藻類(わかめ・ひじき)、豆類(大豆・納豆)、緑黄色野菜(ほうれん草など)に多く含まれています。これらの食品を取り入れつつ、主食・主菜・副菜をバランスよく組み合わせた食事を心がけましょう。
なお、マグネシウムは体内で消費されやすい栄養素であり、ストレスや過度な飲酒、発汗などによって不足しやすくなるとされています。群発頭痛は自律神経の関与が指摘されているため、慢性的なストレス状態が続く方では意識的な補給が重要です。
さらに、カルシウムやビタミンDと一緒に摂取することで吸収効率が高まるとされており、乳製品や魚類と組み合わせるのもおすすめです。
ビタミンB群を含むもの
ビタミンB群は、神経機能の維持やエネルギー代謝に深く関わる栄養素です。疲労回復やストレス対策にも役立つといわれています。
特に、ビタミンB2やB6は頭痛との関連が研究されている栄養素の一つです。これらのビタミンは豚肉や青魚、卵、レバーなどに多く含まれます。
肉や魚はタンパク質も同時に摂取できるため、体調管理の基盤としても有効です。外食やコンビニでも比較的取り入れやすい食品です。
ビタミンB群は水溶性ビタミンであり、体内に蓄積されにくい栄養素です。効率よく吸収させるには、1回の食事でまとめて摂るのではなく、毎日の食事の中でこまめに補給することが大切です。
また、糖質の代謝にも関わるため、食事内容が偏りやすい方や外食中心の生活では不足しやすい傾向があります。神経の興奮を安定させる働きもあることから、慢性的な疲労感やストレスを感じやすい方にとってコンディション維持に役立つ栄養素といえるでしょう。
オメガ3脂肪酸を含むもの
オメガ3脂肪酸は、体内の炎症反応を調整する働きがあるとされる脂質で、血管や神経の健康維持にも関係しています。慢性的な炎症や血管機能との関連が指摘される頭痛において、間接的なサポートが期待される栄養素です。
サバ・イワシ・サンマなどの青魚に多く含まれるほか、亜麻仁油やえごま油などの植物油からも摂取できます。
現代の食生活では、揚げ物や加工食品に多く含まれるオメガ6脂肪酸の摂取が増えやすく、相対的にオメガ3脂肪酸が不足しがちです。脂質のバランスが崩れると、炎症反応が強まりやすくなる可能性があるため、日常的に青魚を取り入れることが重要です。
週に2〜3回程度を目安に魚料理を取り入れると無理なく継続しやすいでしょう。また、亜麻仁油やえごま油は加熱に弱いため、サラダや和え物にかけるなど調理方法にも工夫が必要です。
群発頭痛で控えた方がいい食べ物

群発頭痛では、発作を誘発する可能性があるいくつかの食品が知られています。全ての患者さんに当てはまるものではありませんが、自分の症状と食事内容の関係を把握しながら調整していくことが重要です。
ここからは、群発頭痛の患者さんが注意すべき食べ物を解説します。
亜硝酸塩を含むもの
亜硝酸塩は、食品の保存性や色味を保つ目的で使用される添加物で、主に加工肉に含まれています。ハム、ベーコン、ソーセージ、サラミなどが代表的です。
亜硝酸塩は体内で一酸化窒素に関連する反応を引き起こし、血管拡張に関与する可能性があるとされています。頭痛は血管の拡張や神経の刺激と関係することがあるため、こうした成分が誘因となるケースも指摘されています。
群発期には加工食品の頻度を見直すなど、摂取量を意識するとよいでしょう。
チラミンを含むもの
チラミンはアミノ酸の一種で、血管収縮や神経伝達に影響を与える物質です。熟成や発酵の過程で増加するため、食品の種類によって含有量が大きく異なります。
代表的な食品としては、熟成チーズ、赤ワイン、納豆、キムチなどの発酵食品、加工肉などがあげられます。チラミンは交感神経を刺激し、血管の変動を引き起こす可能性があり、頭痛の誘因として知られています。
群発頭痛にも影響を与える可能性があるため、症状との関連を見ながら摂取量を調整することが重要です。
アルコール
群発頭痛において、最も明確な誘因として知られているのがアルコールです。特に、群発期は少量の飲酒でも高い確率で発作を誘発するため、群発頭痛の患者さんには禁酒が推奨されます。
アルコールはビールやワイン、蒸留酒など種類に関係なく症状が現れるとされています。発作が落ち着いている寛解期であっても、再発のリスクを考慮し、飲酒量や頻度には注意が必要です。
チョコレートが群発頭痛を悪化させる?

チョコレートと群発頭痛の関係については、明確なエビデンスは多くありません。しかし、チョコレートに含まれるカフェインやチラミンには注意が必要です。
これらの成分は血管や神経に影響を与える可能性があり、頭痛の誘因としても知られています。必ずしも群発頭痛を引き起こすとは限りませんが、人によって症状を悪化させる要因となることがあります。
以上の理由から、群発期は一時的に摂取を控えて様子を見るなど、自身の体調に合わせて調整することが大切です。
群発頭痛とコンビニ食品について

コンビニ食品を避ける必要はありませんが、選び方には工夫が必要です。例えば、弁当や総菜、加工食品は味付けが濃く、塩分や脂質が多くなりやすい傾向があります。
また、ハムやソーセージなどの加工肉は亜硝酸塩を含むことが多く、頻繁な摂取は控えた方がよいでしょう。
反対に、ナッツ類やヨーグルト、バナナなどは手軽に取り入れやすく、マグネシウムやビタミン類を補いやすい食品です。サラダチキンやゆで卵など、高タンパクな食品との組み合わせでよりバランスのよい食事に近づけることができます。
コンビニを利用する際は、主食・主菜・副菜を意識して組み合わせることが重要です。選び方を工夫することで、忙しい生活の中でも体調管理を意識した食事を実現できます。
まとめ

群発頭痛そのものを食事で予防・治療する確実な方法は確立されていませんが、栄養バランスの整った食事は体調管理の土台になります。マグネシウムやビタミンB群、オメガ3脂肪酸を意識して取り入れ、明確な誘因であるアルコールや加工食品を控えることで、発作のリスク要因を減らすことが期待できます。
症状や生活スタイルに合わせて食事を工夫し、群発頭痛と上手に付き合っていきましょう。
平尾病院では、患者さんの状態や生活状況を把握したうえで、一人ひとりに合った治療を行っています。「食事を工夫して頭痛を治したい」「病院で治療を受けたい」という方は、当院までお気軽にご相談ください。
この記事の監修者
平尾病院 医師 三木 浩一
大正15年創業以来、地域に根ざした脳神経外科診療を担っています。脳卒中・頭痛・認知症など幅広い脳神経疾患に対応するとともに、リハビリテーション医療や慢性期医療にも注力。お子様からご高齢の方まで、患者さん一人ひとりの背景や思いに寄り添った医療の提供を目指しています。
専門資格
- 医学博士
- 日本頭痛学会 専門医
- 日本脳神経外科学会 専門医
- 日本脳卒中学会 専門医
- 日本認知症学会 専門医
略歴
- 帝京大学医学部 卒業
- 福岡赤十字病院 勤務
- 福岡大学病院 勤務
- 福岡大学救命救急センター 勤務
- 釧路労災病院 勤務
- 福岡東医療センター 勤務
- 白十字病院 勤務
- 平尾病院 勤務
所属学会
- 日本頭痛学会
- 日本脳神経外科学会
- 日本脳卒中学会
- 日本リハビリテーション医学会
- 日本認知症学会