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緊張型頭痛で薬が効かないのはなぜ?原因や対処法、薬の選び方

黒いスーツ姿の女性が、デスクのノートパソコンの前で右手で目頭を押さえ、目が疲れたように閉じている様子

緊張型頭痛で鎮痛剤が効かないのは、いくつかの理由が考えられます。本記事では、緊張型頭痛で薬が効かない理由と対処法をわかりやすく解説します。

薬の選び方についてもまとめているので、緊張型頭痛でお悩みの方はぜひ参考にしてください。

緊張型頭痛とは

女性がソファーに座り、両手で頭を抱え込むようにして深くうつむいている様子

緊張型頭痛は、頭を締め付けられるような鈍い痛みがある頭痛です。いくつか種類がある一次性頭痛(繰り返し起こるいわゆる慢性頭痛)の中で日本人に最も多い頭痛の1つとされており、肩や首のこりとともに現れることが多いのが特徴です。

命に関わる重篤な病気ではありませんが、長期間続くことで生活の質(QOL)に大きく影響することがあります。また、放置すると慢性化し、頭痛が起こりやすい状態が続くこともあります。

参考:緊張型頭痛│日本頭痛学会

緊張型頭痛の特徴

緊張型頭痛は、頭全体に締め付けられるような痛みが感じられます。ズキズキと脈打つような痛みではなく、圧迫感や重だるさを伴う鈍い痛みが持続するケースが多くみられます。

首や肩のこり、張り感を同時に感じることも多く、肩こりがひどくなると頭痛が出ることも緊張型頭痛の典型的なパターンです。痛みの強さは比較的軽度〜中等度で、日常生活を続けられる程度であることが多いです。

また、片頭痛のように吐き気や嘔吐、光や音に対する強い過敏症状を伴うことはあまりありません。運動によって痛みが悪化しにくい点も、片頭痛との違いとしてあげられます。

緊張型頭痛の原因

緊張型頭痛の主な原因は、首や肩まわりの筋肉の緊張と、それに伴う血流の低下と考えられています。長時間のデスクワークやスマートフォン操作など、同じ姿勢を続ける習慣がある方は特に発症しやすい傾向があります。

さらに、精神的なストレスや緊張も大きな要因の一つです。ストレスによって無意識に筋肉がこわばり、頭痛を引き起こすことがあります。

その他にも、眼精疲労や睡眠不足、運動不足、冷えなどの生活習慣も関係するといわれており、複数の要因が重なって発症するケースが多いとされています。

緊張型頭痛で薬が効かない原因

ベージュの服を着た女性が、目を閉じて眉間にシワを寄せながら、左手の指先でこめかみを押さえている表情のアップ

緊張型頭痛で薬が効かないのは、単に薬の効果が弱いのではなく、頭痛の性質や状態に原因があるためだと考えられます。ここからは、薬が効きにくくなる原因を解説します。

筋肉の緊張によるものだから

緊張型頭痛は、首や肩まわりの筋肉の緊張によって引き起こされることが多い頭痛です。長時間同じ姿勢を続けると筋肉がこわばり、血流が低下することで痛みが生じると考えられています。

一方、一般的な鎮痛薬は痛みを感じにくくする作用が中心であり、筋肉の緊張そのものを直接改善するものではありません。そのため、原因である筋緊張が続いている状態では、薬だけでは十分に症状が改善しないことがあります。

こういったケースでは、姿勢の見直しやストレッチなど、根本原因へのアプローチが必要です。

慢性化しているから

頭痛が長期間にわたって続いている場合、慢性緊張型頭痛に移行している可能性があります。慢性化すると脳が痛みに対して過敏な状態になり、わずかな刺激でも頭痛を感じやすくなるとされています。

このような状態では、従来効いていた薬でも効果を実感しにくくなることがあります。また、ほぼ毎日のように頭痛が起こる場合は、医療機関での評価や治療が推奨されます。

薬剤の使用過多による頭痛だから

鎮痛薬を頻繁に使用している場合、薬剤の使用過多による頭痛が起きている可能性があります。薬剤の使用過多による頭痛とは、鎮痛剤を頻繁に使用することで頭痛が悪化・慢性化してしまう状態のことです。

ロキソプロフェンやアセトアミノフェンなどの鎮痛薬を月に15日以上、または市販の複合鎮痛薬(カフェイン等を含むもの)を月に10日以上、3ヶ月を超えて使用している場合は、薬剤の使用過多による頭痛の可能性が考えられます。薬に頼る頻度が増えるほど悪循環に陥りやすいとされています。

薬剤の使用過多による頭痛は、自己判断で薬を増やすのではなく、一度薬の飲み方を見直し、医療機関での管理が必要となる場合もあります。

頭痛の種類が違うから

頭痛にはいくつかの種類があり、実際には片頭痛や群発頭痛など、別のタイプの頭痛である可能性も考えられます。頭痛の種類によって原因やメカニズムが異なるため、適した薬や治療法も変わってきます。

例えば、片頭痛にはトリプタン製剤など専用の治療薬が使用されることがあり、一般的な鎮痛薬では十分な効果が得られないこともあります。薬が効かないと感じる時は、頭痛の原因を自己判断せずに専門医の診断を受けることが重要です。

緊張型頭痛で薬が効かない時の対処法

水が張られたお風呂の浴槽の縁に、2匹並んで置かれている黄色いゴム製のアヒルの玩具

緊張型頭痛は筋肉の緊張や血行不良が関係しているため、薬だけに頼らず、原因にアプローチするセルフケアを取り入れることが重要です。

ここからは、緊張型頭痛で薬が効かない場合の対処法を解説します。

首や肩を温める

首や肩を温めることで血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎやすくなります。すぐにできるのが、蒸しタオルを首に当てる・入浴で体をしっかり温める・温熱シートを使用するといった方法です。

緊張型頭痛は血管の拡張が関与する片頭痛とは異なり、冷やすよりも温める方が適しているケースが多いとされています。

ストレッチをする

首や肩まわりの筋肉をゆっくりと伸ばすことで、緊張の緩和と血流改善が期待できます。特にデスクワークやスマートフォン操作が多い方は、同じ姿勢が続くことで筋肉がこわばりやすいため、こまめなストレッチが有効です。

首をゆっくり左右に倒す・肩を回す・肩甲骨を動かすといった簡単な動きでも効果が期待できます。反動をつけず、呼吸を止めずにゆっくり行うことがポイントです。

マッサージをする

首や肩、こめかみ周辺の筋肉を軽くほぐすことで、血流が改善し、痛みの軽減につながることがあります。特に、凝りを感じる部分を中心に優しくほぐすと効果的です。

強く押しすぎると逆に筋肉を傷める可能性があるため、マッサージは気持ちよさを感じられる程度の力加減で行いましょう。セルフマッサージのほか、市販のマッサージ器具や整体などを活用するのもおすすめです。

正しい姿勢を心がける

猫背や前かがみの姿勢は、首や肩に過度な負担をかけ、筋肉の緊張を引き起こす原因になります。特にパソコン作業やスマートフォン操作では、無意識のうちに姿勢が崩れやすいため注意が必要です。

椅子の高さを調整して足裏が床につくようにしたり、モニターを目線の高さに合わせるだけでも首や肩への負担を軽減できます。長時間同じ姿勢を続けないよう、適度に休憩を挟むことも重要です。

ツボを押す

ツボ刺激によって筋肉の緊張が和らぎ、血流が改善することで頭痛の軽減が期待できる場合があります。緊張型頭痛のセルフケアとして取り入れられることも多い方法です。

代表的なツボとしては、首の後ろにある「風池(ふうち)」や、手の甲の「合谷(ごうこく)」などが知られています。強く押しすぎず、気持ち良いと感じる程度の力でゆっくりと刺激するのがポイントです。

ただし科学的なエビデンスは限定的なため、痛みが強い場合は医療機関での相談をおすすめします。

医療機関を受診する

セルフケアを行っても改善しない頭痛は、医療機関の受診を検討する必要があります。頭痛外来や脳神経内科、脳神経外科などで専門的な診察を受けることが可能です。

これまでと違う強い痛みや、急に起こる激しい頭痛は、別の病気が隠れている可能性があります。頭痛を伴う病気の中には命に関わるものもあるため、頭痛が長続きする場合は一度医療機関に相談すると安心です。

緊張型頭痛の薬の選び方

「おくすり」と書かれた調剤薬局の袋の上に重ねられた、オレンジと白のカプセル剤や丸い錠剤の複数のPTPシート

緊張型頭痛の治療では、市販の鎮痛薬が使用されることが一般的です。代表的なものとしては、アセトアミノフェンやNSAIDs(ロキソプロフェン、イブプロフェンなど)があげられます。

薬の選び方は症状の頻度や強さによって変わります。たまに起こる軽い頭痛であれば市販薬で対応できますが、長引く頭痛は鎮痛薬を使い続けるだけでは十分でないこともあります。

鎮痛薬は痛みが強くなってからよりも、痛みが軽いうちに使用したほうが効果を感じやすい場合があります。

ただし、鎮痛薬を繰り返し使用することで、薬剤の使用過多による頭痛を引き起こす可能性がある点にも注意が必要です。使用頻度が増えている場合は、薬の種類や使用方法の見直しが推奨されます。

市販薬で改善しない頭痛は、医療機関での相談を検討しましょう。症状に応じて、筋肉の緊張を和らげる筋弛緩薬や予防薬が処方されることもあります。予防薬は、開始から1〜2ヶ月で効果を確認し、症状が安定した状態が数ヶ月続いた後、6〜12ヶ月を目安に減量や中止を検討しながらコントロールを図ります。

まとめ

白衣を着た医師が、手元のバインダーに挟まれた書類にペンで記入している様子

緊張型頭痛で薬が効かないと感じる背景には、筋肉の緊張や慢性化、薬の使い方などさまざまな要因が関係しています。

つらい頭痛は、ストレッチや姿勢の見直しによって症状が緩和することがあります。薬の使用頻度にも注意し、必要に応じて医療機関で適切な診断と治療を受けることも大切です。自分の状態に合った対処法を見つけることで、日常生活の負担を軽減していきましょう。

「いまの薬の使い方で大丈夫なのか」を確かめるためには、専門の医療機関で一度服薬状況を見直すのが安心です。平尾病院では、患者さん一人ひとりの頭痛と服薬状況に合わせて、薬の整理から予防薬への切り替えまで対応しています。「慢性的な頭痛がある」「薬が効かなくなってきた」という方は、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

平尾病院 医師 三木 浩一

大正15年創業以来、地域に根ざした脳神経外科診療を担っています。脳卒中・頭痛・認知症など幅広い脳神経疾患に対応するとともに、リハビリテーション医療や慢性期医療にも注力。お子様からご高齢の方まで、患者さん一人ひとりの背景や思いに寄り添った医療の提供を目指しています。

専門資格

  • 医学博士
  • 日本頭痛学会 専門医
  • 日本脳神経外科学会 専門医
  • 日本脳卒中学会 専門医
  • 日本認知症学会 専門医

略歴

  • 帝京大学医学部 卒業
  • 福岡赤十字病院 勤務
  • 福岡大学病院 勤務
  • 福岡大学救命救急センター 勤務
  • 釧路労災病院 勤務
  • 福岡東医療センター 勤務
  • 白十字病院 勤務
  • 平尾病院 勤務

所属学会

  • 日本頭痛学会
  • 日本脳神経外科学会
  • 日本脳卒中学会
  • 日本リハビリテーション医学会
  • 日本認知症学会

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