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片頭痛(偏頭痛)と緊張型頭痛の見分け方。症状の違いとセルフチェック、対処法を解説

女性が目を閉じながら左手で額を抑え、頭痛や体調不良に耐えている様子

頭痛にはさまざまな種類があり、日本人に最も多くみられる代表的なものが「片頭痛(偏頭痛)」と「緊張型頭痛」です。両者はそれぞれ痛みの感じ方や原因、対処法が異なります。

頭痛は身近な症状である一方、原因やタイプによって適切な対処法が大きく異なります。誤ったセルフケアを続けると症状が長引くこともあるため、違いを知ること自体が重要な対策の一つといえます。

本記事では、片頭痛と緊張型頭痛の見分け方をわかりやすく解説します。セルフチェックや対処法もまとめているので、頭痛でお悩みの方はぜひ最後までお読みください。

片頭痛(偏頭痛)と緊張型頭痛の違い

横向きの青い人物のシルエットの頭部に、激しい頭痛や脳の疾患を表現した赤い同心円のマークが重ねられたイラスト

片頭痛と緊張型頭痛はどちらも日常的に見られる頭痛ですが、痛みの性質や原因、対処法には明確な違いがあります。

両者は単独で起こるだけでなく、生活習慣やストレスの影響によって症状が変化することもあります。時期や体調によって頭痛のタイプが変わることがあるため、いつも同じ頭痛と決めつけないことも重要です。

適切に対処するには、自分の頭痛がどのタイプに当てはまるのかを把握することが重要です。ここからはそれぞれの特徴を見ていきましょう。

片頭痛の特徴

片頭痛の特徴は、ズキズキと脈打つような拍動性の痛みです。頭の片側に起こることが多いものの、場合によっては両側に痛みを感じることもあります。

また、吐き気や嘔吐を伴うことがあり、光や音に敏感になるといった症状が見られるケースもあります。さらに、歩行や階段の上り下りなど日常的な動作によって痛みが強くなることも少なくありません。

片頭痛は発作の前に「前兆」と呼ばれる症状が現れることがあります。代表的なのは視界がチカチカする・視野の一部が見えにくくなるといった視覚異常です。

こうしたサインに気づくことで、早めの対処につなげることが可能です。

緊張型頭痛の特徴

緊張型頭痛では、頭を締め付けられるような鈍い痛みがみられます。痛みは頭の両側や後頭部に広がることが多く、肩こりや首のこりを伴うケースもあります。

長時間同じ姿勢を続けた後や、仕事終わりなどに症状が出やすいと感じる方も少なくありません。

片頭痛に比べて痛みは比較的軽度であることが多く、日常生活を続けられる程度にとどまることが多いのも緊張型頭痛の特徴です。痛みが慢性的に続くと集中力の低下や疲労感につながることがあり、生活の質に影響することもあります。

群発頭痛との違い

群発頭痛は、片頭痛や緊張型頭痛とは異なる特徴をもちます。痛みは目の奥をえぐられるような非常に強いもので、片側の目の周りからこめかみにかけて15分〜3時間ほど続く発作が 1日に複数回繰り返されます。

痛みの程度は「日常生活が困難になるほど」と表現されることもあり、緊張型頭痛とは大きく異なります。

また、痛みとともに目の充血や涙、鼻水などの症状を伴うことがあり、一定期間に集中して発作が繰り返される点も特徴です。数週間〜数ヶ月に集中的に発作が起こる「群発期」があり、その期間中は毎日のように同じ時間帯に痛みが出るケースもあります。

参考:群発頭痛│日本頭痛学会

片頭痛と緊張型頭痛の見分け方

男性が屋外で前かがみになり、右手で額を抑えながらめまいや体調不良に耐えている様子

片頭痛と緊張型頭痛は、症状からある程度見分けることができます。ここからは両者を見分ける際の判断材料を見ていきましょう。

痛みの種類

片頭痛の痛みはズキズキと脈打つような拍動性で、脳の血管を取り巻く「三叉神経(さんさしんけい)」の炎症や、脳血管の拡張が関与すると考えられています。痛みの強さは中等度から重度になることが多いです。

一方、緊張型頭痛は頭全体を締め付けられるような圧迫感や重だるさとして感じられます。筋肉の緊張や血行不良が関与しているとされ、痛みは軽度から中等度で持続的に続く傾向があります。

片頭痛は「脈打つ強い痛み」、緊張型頭痛は「締め付けられる鈍い痛み」といった違いが両者を見分けるうえでのポイントです。

痛む場所

片頭痛は頭の片側に現れることが多く、こめかみ周辺や目の奥にかけて痛みを感じるケースがよく見られます。ただし、発作の経過によっては両側に広がることもあり、必ずしも「片側=片頭痛」とは限りません。

対して、緊張型頭痛は頭の両側や後頭部、首筋にかけて痛みが広がります。肩や首のこりを感じることもあります。頭全体を締め付けられるような感覚が広がることが多く、「頭にヘルメットをかぶっているような圧迫感」と表現されることもあります。

さらに、首や肩の筋肉の緊張に伴って後頭部から頭頂部へと痛みが広がるケースもあります。

体を動かした時の変化

片頭痛は、歩行や階段の上り下りなどの軽い動作でも痛みが悪化することがあります。発作時は体を動かすのがつらく、安静にしなければやり過ごせないという患者さんもいます。

中には、運動や入浴によって症状が強まることもあり、日常生活への影響が比較的大きい頭痛のタイプです。

一方、緊張型頭痛は体を動かしても痛みが大きく悪化することは少なく、むしろ軽いストレッチや運動によって血流が改善し、症状が和らぐこともあります。

この違いは片頭痛と緊張型頭痛を見分けるうえでひとつの目安になります。動くとつらくなる場合は片頭痛、動くことで楽になる場合は緊張型頭痛が疑われます。

吐き気と光過敏の有無

片頭痛では吐き気や嘔吐を伴うことがあり、食事がとれなくなるほど症状が強く出る場合もあります。また、光や音、においに対して敏感になる感覚過敏が見られることも多く、日常の刺激がつらく感じられるのが特徴です。

一方、緊張型頭痛では吐き気や光・音過敏といった症状はあまり見られません。あったとしても軽度で、比較的穏やかな経過をたどることが多いとされています。

片頭痛と緊張型頭痛が同時に起きる「混合型頭痛」とは?

女性がソファーに座り、両手で頭を抱え込むようにして深くうつむいている様子

片頭痛と緊張型頭痛はそれぞれ異なる特徴をもちますが、両方の性質が混在して現れるケースもあります。こうした状態が「混合型頭痛」です。

例えば、ある日はズキズキとした拍動性の痛み、別の日には締め付けられるような鈍い痛みを感じるなど、症状が日によって変化することがあります。また、一度の頭痛の中で両方の特徴が同時に現れることもあります。

混合型頭痛の場合は、それぞれの頭痛に適した対処法を組み合わせて行う必要があります。症状が複雑な場合は、自己判断に頼らず医療機関での評価を受けることが望ましいでしょう。

【頭痛タイプ別】セルフチェック

医師が部位ごとに色分けされた脳の模型を手に持ち、患者に診察や説明を行っている様子

頭痛のタイプは、いくつかの症状からある程度推測できます。下記2つのチェックリストで、当てはまる数がより多いほうが、自分の頭痛タイプの目安となります。ただし、あくまでセルフチェックであり、確定診断には医療機関での問診や検査が必要です。

片頭痛のセルフチェック

  • ズキズキとした拍動性の痛みがある
  • 頭の片側に痛みが出ることが多い
  • 吐き気や嘔吐を伴うことがある
  • 光や音に敏感になることがある
  • 体を動かすと痛みが強くなることがある

これらに多く当てはまる場合は、片頭痛の可能性が考えられます。

緊張型頭痛のセルフチェック

  • 頭全体を締め付けられるような痛みがある
  • 首や肩のこりを伴うことが多い
  • デスクワークや長時間の同じ姿勢で悪化しやすい
  • 日常生活を続けられる程度の痛みであることが多い
  • 体を動かしても痛みが大きく悪化しない

これらに当てはまる場合は、緊張型頭痛の可能性があると考えられます。

片頭痛と緊張型頭痛の対処法

水が入ったグラスと、その手前に並ぶ3粒の小さな丸い錠剤

片頭痛と緊張型頭痛では原因やメカニズムが異なるため、適した対処法も変わります。自分の頭痛タイプに合った対応を行い、症状の軽減や再発予防につなげていきましょう。

片頭痛の対処法

片頭痛の発作時は、暗く静かな場所で安静にすることが基本の対処法です。光や音の刺激によって痛みが悪化することがあるため、できるだけ刺激を避けた環境で休むことが重要です。

また、こめかみや額など痛む部分を冷やすことで、血管の拡張が抑えられ、症状が和らぐ場合があります。市販の鎮痛薬に加え、医療機関ではトリプタン製剤など片頭痛専用の治療薬が処方されることもあります。

さらに、ストレスや睡眠不足、生活リズムの乱れなどは発作の誘因となるため、日頃からこれらをできるだけ避けることも大切です。

緊張型頭痛の対処法

緊張型頭痛には首や肩の筋肉の緊張や血行不良が関与していると考えられているため、温めて血流を改善することが有効です。入浴や蒸しタオルなどを活用するのもよいでしょう。

また、ストレッチや軽い運動を取り入れることで筋肉のこわばりが緩み、症状の改善につながることがあります。長時間同じ姿勢を続けないようにし、こまめに休憩をとることも予防のポイントです。

必要に応じて市販の鎮痛薬を使用することもありますが、頻繁に服用する場合は医療機関に相談することをおすすめします。

まとめ

医師が手元にバインダーを持ちながら、ジェスチャーを交えて説明している様子

片頭痛と緊張型頭痛はどちらも身近な頭痛ですが、痛みの性質や現れ方、対処法には明確な違いがあります。症状の特徴を理解し、自分の頭痛タイプを把握することが、適切な対応への第一歩です。

頭痛が頻繁に起こる、症状が強い、いつもと違う痛みを感じるといった場合には、無理をせず医療機関を受診することが大切です。

平尾病院では、患者さんの状態や生活状況を伺ったうえで、一人ひとりに合った治療プランをご提案しています。「繰り返す片頭痛をなんとかしたい」「頭痛の原因を詳しく調べたい」という方は、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

平尾病院 医師 三木 浩一

大正15年創業以来、地域に根ざした脳神経外科診療を担っています。脳卒中・頭痛・認知症など幅広い脳神経疾患に対応するとともに、リハビリテーション医療や慢性期医療にも注力。お子様からご高齢の方まで、患者さん一人ひとりの背景や思いに寄り添った医療の提供を目指しています。

専門資格

  • 医学博士
  • 日本頭痛学会 専門医
  • 日本脳神経外科学会 専門医
  • 日本脳卒中学会 専門医
  • 日本認知症学会 専門医

略歴

  • 帝京大学医学部 卒業
  • 福岡赤十字病院 勤務
  • 福岡大学病院 勤務
  • 福岡大学救命救急センター 勤務
  • 釧路労災病院 勤務
  • 福岡東医療センター 勤務
  • 白十字病院 勤務
  • 平尾病院 勤務

所属学会

  • 日本頭痛学会
  • 日本脳神経外科学会
  • 日本脳卒中学会
  • 日本リハビリテーション医学会
  • 日本認知症学会

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