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くも膜下出血は食べ物が原因?発症リスクを下げる食生活

木製のトレイに載せられたバランスの良い和食の定食

くも膜下出血の発症リスクには、高血圧や喫煙、過度の飲酒などの生活習慣が関係していると考えられています。食生活も血圧や血管の状態に影響するため、リスクを抑えるには日々の食事管理が必要です。

本記事では、くも膜下出血と食事の関係をわかりやすく解説します。日常生活で心がけたい食事のポイントをまとめているので、ぜひ参考にしてください。

くも膜下出血はどんな病気?

くも膜下出血の病態を説明するイラスト

くも膜下出血とは、脳の表面にある血管が破れて、くも膜下腔と呼ばれる空間に出血が広がる病気です。脳卒中の一種であり、突然発症することが多い重篤な疾患として知られています。

代表的な症状には、これまでに経験したことがないほどの激しい頭痛があります。「バットで殴られたような痛み」と表現されるほどの強い痛みが特徴です。

頭痛のほかにも、吐き気や嘔吐、意識障害、首の痛みなどの症状がみられることがあります。場合によっては命に関わることもあるため、早期の診断と治療が重要です。

くも膜下出血の原因

白いテーブルの上で電子血圧計を使って血圧を測定している様子

くも膜下出血の原因の多くは、脳動脈瘤の破裂です。脳動脈瘤とは、脳の血管の一部がこぶのように膨らんだ状態を指し、膨らみが破れることで出血が起こり、くも膜下出血を引き起こします。

脳動脈瘤ができる原因は完全には解明されていませんが、生活習慣や体質などが関係すると考えられています。ここからは、くも膜下出血の発症リスクを高める要因を見ていきましょう。

高血圧

高血圧は、くも膜下出血の重大な危険因子の一つです。血圧が高い状態が続くと血管壁に強い負担がかかり、脳動脈瘤の形成や破裂のリスクが高まると考えられています。

高血圧の背景には食生活も大きく関係しています。特に塩分の多い食事や、加工食品・外食中心の食生活は血圧を上昇させる要因となるため注意が必要です。

高血圧は自覚症状が少ないまま進行することが多く、気づかないうちに血管へ負担が蓄積しているケースも少なくありません。定期的に血圧を測定し、日頃から数値を把握することが重要です。

過度の飲酒

アルコールの過剰摂取も、くも膜下出血の発症リスクを高める要因の一つです。飲酒によって血圧が上昇したり、血管に負担がかかったりすることが影響していると考えられています。

日本人女性を対象にした大規模研究では、アルコール摂取量が多い人ほど脳卒中の発症リスクが高くなることが示されました。

週に300g以上のアルコールを摂取する人は、脳内出血とくも膜下出血を合わせた出血性脳卒中の発症リスクが約2.38倍に増加したという結果が報告されています。

日常的に大量のアルコールを摂取する方は、くも膜下出血だけでなくその他の病気のリスクも高まる傾向があります。食事面で健康管理を行う場合は、飲酒の量と頻度を調整することが大切です。

参考:国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト「女性における飲酒と循環器疾患発症との関連について」

喫煙

タバコに含まれる有害物質は血管内皮にダメージを与え、血管壁を弱くする可能性があります。その結果、血管の異常や動脈瘤の形成につながる可能性があると考えられています。

これまでの研究では、喫煙者は非喫煙者に比べて脳卒中のリスクが高くなる(男性は1.3倍、女性は2.0倍)ことが報告されています。

特に、喫煙とくも膜下出血の関係は強く、喫煙者は非喫煙者に比べて発症リスクが高い(男性は3.6倍、女性は2.7倍)ことが示されています。1日あたりの本数が増えるほど、くも膜下出血の発症例が増えていくことも見逃せない事実です。

禁煙によって血管へのダメージの進行を抑えられる可能性があるため、リスクを下げるためには早めの禁煙が推奨されます。

参考:国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト「男女別、喫煙と脳卒中病型別発症との関係について」

家族歴

家族にくも膜下出血や脳動脈瘤の既往がある場合、発症リスクが高くなる可能性があります。特に、2親等以内(両親・兄弟姉妹・子ども)にくも膜下出血の患者さんがいる場合は注意が必要です。

家族歴がある場合は医療機関で相談し、必要に応じてMRAなどの検査を検討することがあります。くも膜下出血の原因となる未破裂脳動脈瘤は、頭部MRAやMRIを用いた脳ドックで発見されるケースが多くあります。

くも膜下出血は食べ物で予防できる?

女性がバランスの良い和食の抵触を食べようとしている手元のアップ

くも膜下出血は、特定の食べ物を食べたり控えたりするだけで予防できる病気ではありません。発症の多くは脳動脈瘤の破裂によるものであり、高血圧や喫煙、飲酒など複数の要因が関係するためです。

食生活は高血圧や血管の健康と深く関係しており、結果的にくも膜下出血のリスクに影響する可能性があります。塩分の摂取量や栄養バランスなど、日常の食事内容は血圧管理にも大きく関わるポイントです。

例えば、減塩を意識することは血圧の管理につながります。日本人は塩分摂取量が多い傾向にあるため、味付けを薄くしたり加工食品を控えるといった工夫が効果的です。

近年の研究では、食事と脳動脈瘤のリスクとの関連も検討されています。遺伝疫学的手法を用いた研究では、新鮮な果物の摂取が脳動脈瘤のリスク低下と関連する可能性が示唆されています。

日々の食事は健康な体をつくる基礎となるものです。予防に役立つ食品は積極的に摂取しつつ、全体の栄養バランスを意識したメニューを心がけましょう。

参考:The Causal Relationship Between Dietary Factors and the Risk of Intracranial Aneurysms: A Mendelian Randomization Analysis

くも膜下出血で食べてはいけないもの

テーブルいっぱいに並べられたテイクアウト容器に入ったパスタやサラダ、スープなどの彩り豊かな数々の惣菜

くも膜下出血の予防において、特定の食べ物を完全に避ける必要はありません。ただし、高血圧を悪化させる食生活は発症リスクを高める可能性があるため、塩分の摂取量には注意が必要です。

例えば、ラーメンや漬物、加工肉、インスタント食品などは塩分が多くなりやすい食品です。これらを日常的に多く摂取している場合は、頻度や量を見直すことが望ましいでしょう。

日本人を対象とした大規模研究では、塩辛い食べ物を好む人は心血管疾患の発症リスクが高くなることが報告されています。

塩分の過剰摂取は高血圧の原因となり、血管に負担をかける可能性があります。くも膜下出血のリスクを下げるためにも、高血圧を悪化させる食品の過剰摂取は控えるのがよいでしょう。

参考:Salt Preference and the Incidence of Cardiovascular Disease in a Japanese General Population: The Jichi Medical School Cohort Study

くも膜下出血にまつわる質問

白医師がノートパソコンの前に座り、白い大きなクエスチョンマークの形をした紙を持っている

水分が不足するとくも膜下出血になりやすい?

水分不足とくも膜下出血を関連づける明確なエビデンスは確認されていません。

ただし、脱水状態になると血液の循環に影響が出たり、体調を崩したりする可能性があります。特に高齢者では脱水によって血圧や体調が不安定になることもあります。

健康管理の観点からも、日常的に適切な水分補給を心がけることが大切です。

コーヒーを飲みすぎるとくも膜下出血になりやすい?

コーヒーに含まれるカフェインには、一時的に血圧を上昇させる作用があるとされており、過剰摂取は体に負担をかける可能性があります。

適量であれば過度に心配する必要はありませんが、コーヒーに限らず、食事や飲み物は適量を意識することが大切です。

納豆はくも膜下出血のリスクを下げる?

納豆単体でくも膜下出血を予防できるわけではありません。

納豆は大豆を原料とした食品で、たんぱく質やビタミン、食物繊維などを含む栄養価の高い食品です。健康的な食事の一部として取り入れることは、体全体の健康管理に役立つ可能性があります。

くも膜下出血の予防を考える場合は、特定の食品に頼るのではなく、栄養バランスの取れた食生活を心がけましょう。

血栓を溶かす果物はある?

血栓を溶かす効果が認められている果物はありません。

そもそも、くも膜下出血は血管が「詰まる」のではなく「破れる」病気であるため、血栓を溶かすこと自体が直接の予防にはなりません。

果物を含むバランスの良い食生活は血管や血圧の管理に役立つ可能性がありますが、特定の食品に頼るのではなく、減塩・禁煙・適度な運動といった生活習慣全体の見直しが、くも膜下出血のリスクを下げるうえで重要です。

まとめ

箸で白米をひとくち分持ち上げているお茶碗の手元のアップ。背景には焼き魚や小鉢などの和食が並んでいる。

くも膜下出血の発症には、高血圧や喫煙、過度の飲酒などの生活習慣が関係すると考えられています。

食べ物だけでくも膜下出血を予防することはできませんが、食生活は血圧や血管の健康に影響する重要な要素です。塩分の摂りすぎを控え、野菜や果物などをバランスよく取り入れた食事を意識することが大切です。

平尾病院では、患者さんの状態や生活状況を把握したうえで、一人ひとりに合った治療を行っています。「頭痛が続く」「吐き気やめまいがある」など気になる症状がある方は、お気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

平尾病院 医師 三木 浩一

大正15年創業以来、地域に根ざした脳神経外科診療を担っています。脳卒中・頭痛・認知症など幅広い脳神経疾患に対応するとともに、リハビリテーション医療や慢性期医療にも注力。お子様からご高齢の方まで、患者さん一人ひとりの背景や思いに寄り添った医療の提供を目指しています。

専門資格

  • 医学博士
  • 日本頭痛学会 専門医
  • 日本脳神経外科学会 専門医
  • 日本脳卒中学会 専門医
  • 日本認知症学会 専門医

略歴

  • 帝京大学医学部 卒業
  • 福岡赤十字病院 勤務
  • 福岡大学病院 勤務
  • 福岡大学救命救急センター 勤務
  • 釧路労災病院 勤務
  • 福岡東医療センター 勤務
  • 白十字病院 勤務
  • 平尾病院 勤務

所属学会

  • 日本頭痛学会
  • 日本脳神経外科学会
  • 日本脳卒中学会
  • 日本リハビリテーション医学会
  • 日本認知症学会

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