脳の病気・症状

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くも膜下出血はどこが痛む?頭痛の場所や前兆、受診の目安を解説

窓際で両手で頭を抱えながらうつむいている女性の後ろ姿

くも膜下出血の代表的な症状に、突然の激しい頭痛があります。「バットで殴られたような痛み」と表現されるほどの強い痛みが特徴です。

痛みは頭全体に広がることが一般的ですが、出血の場所や原因となる動脈瘤の位置によっては、後頭部、前頭部、あるいは片側に偏って痛むこともあります。頭痛以外にも前兆がみられることもあるため、起こりうる症状や受診の目安を知っておくと安心です。

本記事では、くも膜下出血の前兆をわかりやすく解説します。普通の頭痛との見分け方もまとめているので、気になる症状がある方はぜひ最後までお読みください。

くも膜下出血とは

くも膜下出血の病態を説明するイラスト。脳の血管の一部がコブのように膨らんで破裂し、出血している様子が拡大図を交えて描かれている

くも膜下出血とは、脳の表面にある「くも膜下腔」に出血が起こる脳卒中の一種です。出血の原因の多くは、脳の血管の一部がこぶ状に膨らんだ脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)の破裂です。

動脈瘤が破れると血液がくも膜下腔に急速に広がり、突然の激しい頭痛を引き起こします。

くも膜下出血の代表的な症状は、突然起こる激しい頭痛(雷鳴様頭痛)です。「頭をバットで殴られたような痛み」「これまで経験したことのない頭痛」と表現されることが多く、数秒〜数分で痛みがピークに達するのが特徴です。

重症の場合は、意識障害やけいれんを伴うことがあります。発症後の経過次第では命に関わることもあるため、早期の診断と治療が非常に重要とされています。

くも膜下出血の前兆

男性が、苦悶の表情を浮かべながら左手で首の後ろ(うなじ辺り)を押さえている様子

くも膜下出血は多くの場合、前触れなく突然発症します。一部では、発症の数日前〜数週間前に前兆となる症状が現れることもありますが、軽い頭痛や体調不良として見過ごされることもあります。

ここからは発症前にみられる症状を見ていきましょう。

警告頭痛

くも膜下出血の前に現れることがある頭痛は、警告頭痛(センチネルヘッドエイク)と呼ばれます。「今まで経験したことがない頭痛」と表現されることが多く、突然強い痛みが起こるのが特徴です。

発症の数日前から数週間前に現れることがあるとされ、動脈瘤からわずかな出血が起こることが原因と考えられています。痛みが一時的におさまることも多く、単なる頭痛として見逃されるケースも少なくありません。

しかし、警告頭痛の段階で適切な治療を受けることで、重大な出血を防げる可能性もあります。いつもと違う強い頭痛がある時は、迷わず医療機関を受診しましょう。

吐き気・めまい

吐き気や嘔吐、めまいも、くも膜下出血の前兆の一つです。これらの症状は頭痛と同時に起こることが多く、立っていられないほどのふらつきを感じる場合もあります。

脳内の圧力変化や血管への影響によって起こると考えられており、体調不良として軽視されることもあります。

首の痛み

くも膜下出血は、後頭部から首にかけての痛みやこわばりを感じることもあります。特に、首の後ろの強い痛みや、首を前に曲げにくくなる症状(うなじが硬くなる)がみられる場合は注意が必要です。

これは髄膜が刺激されることで起こる症状で、髄膜刺激症状(ずいまくしげきしょうじょう)と呼ばれます。首の違和感や動かしにくさが頭痛とともに現れる場合、単なる肩こりとは異なるものとして、医療機関での検査が推奨されます。

目の症状

動脈瘤の位置によっては、視覚に関する症状が前兆として現れることがあります。

代表例が、視界がぼやける・見えにくい・ものが二重に見えるなどの症状です。また、光をまぶしく感じることもあります。

これは、動脈瘤が大きくなり、目の神経や周囲の構造に影響を与えることで起こると考えられています。

意識障害

意識がぼんやりする・反応が鈍くなるといった症状も、くも膜下出血でよくみられる前兆です。発症時には急激な意識障害が起こることもあり、重症例では意識を失うこともあります。

意識障害は本人が異変に気づきにくく、周囲の家族や同僚が「反応が遅い」「受け答えがおかしい」と感じて発見されるケースもあります。

集中力が低下したり、会話の内容を追えなくなったりするなど、普段とは違う感覚がある場合は早めの受診が重要です。

くも膜下出血の警告頭痛はどこが痛む?

女性が後ろを向き、両手で頭を抱え込んでいる様子

くも膜下出血の頭痛は、頭全体に広がるような痛みを感じることが多いとされています。人によっては頭の後ろから首の付け根にかけて強い痛みを感じることもあり、後頭部を中心に症状が現れるケースもあります。

痛みの特徴としてよく表現されるのが「頭が割れるような痛み」や「バットで殴られたような痛み」です。これまで経験したことのないほど強い頭痛が突然始まり、短時間でピークに達する傾向があります。

また、出血の原因となる動脈瘤の位置によっては頭の片側だけに痛みが現れたり、単なる片頭痛と区別がつきにくいこともあります。

さらに、くも膜下出血の頭痛は痛みが広がる速さにも特徴があります。発症すると数秒から数分のうちに急激に痛みが強くなり、短時間でピークに達することが多いです。

このような頭痛は「雷鳴様頭痛(らいめいようずつう)」と呼ばれ、突然発症する点が通常の頭痛と大きく異なります。痛みは非常に強く、動けないほどの激痛になることもあります。

また、痛みは数時間から数日続くことがあり、いったん落ち着いたように感じられても、初回出血から短期間で再出血を起こすリスクがあるため注意が必要です。

警告頭痛と普通の頭痛の見分け方

青いシルエットで描かれた人物の頭部に、激しい頭痛や痛みの広がりを表現した赤い同心円のグラデーションが重なっているイラスト

くも膜下出血の前に現れることがある警告頭痛は、突然発症する強い頭痛が特徴です。今までに経験したことのないほどの強い痛みで、片頭痛とは明らかに異なる症状だと感じる方が多くいます。

普段の片頭痛や緊張型頭痛は徐々に痛みが強くなるのに対して、くも膜下出血の頭痛は突然始まり、急速に悪化します。また、吐き気や嘔吐、首の痛みやこわばりなどの症状を伴うこともあります。

短時間で急激に痛みが強くなる頭痛は、軽く考えず、ただちに医療機関を受診してください。

脳卒中の早期発見につながる【FAST】について

差し出された両手の上に、脳卒中の警告サインである「FAST(Face、Arm、Speech、Time)」の白い文字が浮かび上がっているイメージ

くも膜下出血をはじめとする脳卒中の早期発見には、「FAST」という合言葉が役立ちます。FASTは顔・腕・言葉・時間の4つのポイントから異常を見つけるための指標です。

  • Face(顔):顔の片側がゆがんでいないか、口角が下がっていないか
  • Arm(腕):両腕を上げたときに片方だけ下がらないか
  • Speech(言葉):ろれつが回らない、言葉が出にくい・理解しにくい
  • Time(時間):これらの症状がみられた時間を記録し、すぐに119番に電話して救急車を呼ぶ

くも膜下出血の主症状は突然の激しい頭痛ですが、出血の影響で脳の機能に異常が起こると、運動麻痺や言語障害などの症状が現れることもあります。

これらのサインは脳梗塞や脳出血にも共通してみられるものです。早期対応がその後の回復や後遺症のリスクに大きく影響するため、いつもと違う症状がみられた時はできるだけ早く医療機関を受診してください。

くも膜下出血のリスクが高い人の特徴

テーブルの上に置かれた白い灰皿と、火のついたタバコ

くも膜下出血の代表的なリスク要因が、高血圧と喫煙習慣です。血圧が高い状態が続くと血管の壁に負担がかかり、動脈瘤ができやすくなると考えられています。

また、喫煙は血管を傷つけ、動脈瘤の形成や破裂のリスクを高める要因とされています。

そのほか、過度な飲酒や強いストレス、家族にくも膜下出血を発症した方がいる場合も注意が必要です。

特に閉経後の女性は発症リスクが高く、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血では患者の約7割を女性が占めるというデータもあります。これは閉経に伴いエストロゲンの分泌が低下し、血管を保護する働きが弱まることが一因と考えられています。

こうしたリスク要因に当てはまる方すべてが発症するわけではありませんが、自分の傾向を知っておくことで早期受診や予防につながります。

参考:脳卒中データバンクを利用したくも膜下出血の解析 ー発症年齢,性差,予後における全国・地域別の検討ー

くも膜下出血に頭痛薬は効く?

水が入った透明なグラスと、その手前に並ぶ3粒の小さな錠剤

くも膜下出血による頭痛でも、市販の鎮痛薬によって一時的に痛みが和らぐことがあります。ただし、くも膜下出血の原因は脳内の出血であり、頭痛薬によって出血が抑えられるわけではありません。

市販の痛み止めで症状をごまかしてしまうと、受診のタイミングが遅れてしまうこともあります。重大な出血を見逃さないためにも、いつもとは異なる頭痛が現れたら、早急に医療機関を受診することが重要です。

いつもの頭痛と違うかも?と思ったらすぐに受診を

斜め前を向いて置かれた救急車のミニチュア模型

くも膜下出血は発症後の進行が早いことが多く、早期受診が非常に重要な病気です。「いつもと違う頭痛」「急に強くなった頭痛」は、重大な病気のサインかもしれません。

突然の激しい頭痛に加えて、吐き気や嘔吐、首の痛みやこわばり、意識がぼんやりするなどの症状がある場合は特に注意が必要です。意識障害や手足のしびれ、ろれつが回らないなどの症状がある場合は、救急受診を検討する必要があります。

くも膜下出血は、早期の診断と適切な治療で重症化や後遺症を防げる可能性があります。異変を感じたときは、迷わずに医療機関を受診しましょう。

まとめ

全体的に大きくぼかされた病院のロビーや待合スペースを写したイメージ

くも膜下出血による頭痛は頭全体に広がることが多く、後頭部や首の付け根に特に強い痛みを感じることがあります。前兆として、警告頭痛が現れることもあります。

「今まで経験したことのない頭痛」「急に強くなった頭痛」は、くも膜下出血の代表的な症状です。違和感を感じたら、我慢をせずに医療機関へ相談してください。

くも膜下出血は一刻を争う疾患です。平尾病院では、迅速な診断と専門的な治療体制を整えています。少しでも「おかしい」と感じる頭痛がある場合は、躊躇せず救急車を呼ぶか、当院までご相談ください。

この記事の監修者

平尾病院 医師 三木 浩一

大正15年創業以来、地域に根ざした脳神経外科診療を担っています。脳卒中・頭痛・認知症など幅広い脳神経疾患に対応するとともに、リハビリテーション医療や慢性期医療にも注力。お子様からご高齢の方まで、患者さん一人ひとりの背景や思いに寄り添った医療の提供を目指しています。

専門資格

  • 医学博士
  • 日本頭痛学会 専門医
  • 日本脳神経外科学会 専門医
  • 日本脳卒中学会 専門医
  • 日本認知症学会 専門医

略歴

  • 帝京大学医学部 卒業
  • 福岡赤十字病院 勤務
  • 福岡大学病院 勤務
  • 福岡大学救命救急センター 勤務
  • 釧路労災病院 勤務
  • 福岡東医療センター 勤務
  • 白十字病院 勤務
  • 平尾病院 勤務

所属学会

  • 日本頭痛学会
  • 日本脳神経外科学会
  • 日本脳卒中学会
  • 日本リハビリテーション医学会
  • 日本認知症学会

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